直接労務費とは？初心者が理解する基本と計算のコツ共起語・同意語・対義語も併せて解説！

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岡田康介

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直接労務費とは？

直接労務費は、製品やサービスを作るのに直接関与する労働者の賃金のことです。工場で部品を組み立てる作業員の賃金や手当が典型的な直接労務費です。一方で、設備の保守担当者や生産ラインの監督など、製品づくりに間接的に関与する人の人件費は間接労務費と呼ばれることが多く、これらは直接コストとしては計上されません。

基本の定義と目的

会計や原価計算では、 原価を「直接材料費」「直接労務費」「製造間接費」に分解します。直接労務費は、原価のうち「製品単位に紐づけられる労務費」です。製品を1つ作るのに必要な人の時間と賃金を、正確に追跡するのが目的です。

直接労務費と間接労務費の違い

違いは、「製品作成に直接関与しているかどうか」と「原価の追跡のしやすさ」です。直接労務費は製品へ直接割り当て、間接労務費は複数の製品に共通して使われる部分です。例えば、組立工の賃金は直接労務費、工場の清掃員の賃金は間接労務費とされることが多いです。

計算のしかた

直接労務費の基本式は次のとおりです。直接労務費＝直接労務時間 × 時給です。もし時給に手当や福利厚生費が含まれる場合は、それを加えた「実際の賃金総額」で計算します。例を挙げると、1人の作業員が1日8時間働き、1時間あたりの賃金が1500円の場合、1日の直接労務費は 12,000円 になります。複数の作業員が関わる場合は、それぞれの時間と賃金を合計します。また、製造業では“標準原価”を用いて計画上の直接労務費を事前に見積もることも一般的です。

会計への結びつき

原価計算や財務諸表の作成には欠かせません。原価計算の基礎として、WIP（仕掛品）やCOGS（売上原価）に直接的に組み入れられます。製品が完成したときには、直接労務費が完成品の原価として計上され、在庫が動くと在庫評価にも影響します。計算を正確に行うには、タイムカードや出勤記録を正確に管理し、作業内容を「直接的な製品作り」に紐づけることが重要です。

実務でのポイントと注意点

・直接労務費の範囲を正しく見極める。場合によっては、一部の人員が直接と間接の両方の作業を行うことがあります。その場合は業務配分の基準を事前に決めておくと混乱を防げます。 賃金だけでなく福利厚生費や社会保険料なども含めて計算する場合があります。企業の会計方針によって範囲が異なるので、社内のルールを確認しましょう。