

岡田 康介
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三相電源・とは?
三相電源とは、電気を動力として使うときの基本的な「供給の仕組み」のひとつです。三本の導体を使い、それぞれの交流波形を互いに120度ずつずらして発生させることで、全体として電力の波形を平らに保ちます。発電所や配電網では、この三相の組み合わせを使うことで大きな機械を安定して動かすことができます。
三相と単相の違い
家庭で一般的に使われるのは単相の電源です。照明や家電は単相で十分な場合が多いですが、モータやポンプ、エレベーターなど大きな容量が必要な設備では三相の方が効率よく動作します。三相の波形は三本の線の間で連携して流れるため、負荷を三つの相に分散でき、瞬間的な電圧変動を抑えやすいのが特徴です。
仕組みとメリット
三相は三つの波形が互いに120度ずつずれて流れるので、瞬間の電圧が低下しても他の二つが補い、動力の安定性が高まります。これにより回転体を使う機械では滑らかな回転と高いトルクを得やすく、長期的には機械の磨耗を減らすことができます。
用途と安全
三相電源は大型モーターやポンプ、搬送機器、圧縮機、冷凍機など、強いトルクと安定性を必要とする設備で広く使われています。配線や機器の取り扱いは、適切な遮断機器、絶縁、過負荷保護などの安全対策を講じた上で専門の技術者が行うべきです。
電圧と周波数の話
三相には相と相間の電圧、周波数といった用語が関わります。地域によって周波数は異なる場合があり、機器の仕様を確認しないと正しく動作しません。表現としては「相間電圧」「相順」「周波数」などの用語を押さえておくと良いでしょう。
かんたんな比較表
特徴 | 三相電源 | 単相電源 |
---|---|---|
波形の安定 | 高い | 低い |
負荷分散 | 三つの波で分散 | 一つの波で負荷 |
用途の例 | 大型機械や工場 | 家庭の家電 |
まとめ
三相電源・とは何かを理解するには、三本の波形が協調して動く仕組みと、それによって得られる安定性と効率の向上を知ることが大切です。日常生活で直接触れる機会は多くないかもしれませんが、設備の世界では基本的かつ欠かせない知識です。
三相電源の同意語
- 三相交流電源
- 三相の交流として電力を供給する電源のこと。3つの相が120度ずつ位相差をもって作動するため、モーターなどの負荷を安定して動かせる電源形式です。
- 三相電力
- 三つの相で供給される電力の総称。発電・送電・配電の分野でよく用いられる概念で、効率性を語る際の基本単位となります。
- 三相電力系統
- 発電所から家庭・工場に電力を届ける、三相の送電・配電網全体のこと。系統設計の中心的概念です。
- 三相電源系統
- 三相の電源を供給する一連の経路や設備の組み合わせを指す表現。発電機・変電所・変圧器などを含みます。
- 三相交流系統
- 三相の交流電力で成り立つ電力系統のこと。交流の特性を活かした動作が特徴です。
- 3相電源
- 数字の3を用いた略記で、三相電源と同義の表現です。
- 3相交流電源
- 3相の交流を供給する電源のこと。業界で頻繁に見られる表記です。
- 三相配電
- 三相で電力を負荷へ配分する系統・工程のこと。産業用の配電設計で使われます。
- 3相配電系統
- 3相による配電網・系統のこと。工場やビルなどの大規模配電を指す用語です。
- 三相電力供給
- 三相で電力を供給すること。供給側の機構や契約・仕様の話題で使われます。
三相電源の対義語・反対語
- 単相電源
- 1つの交流波形だけで電力を供給する電源。三相電源の対義語として最も一般的。家庭用や小規模機器でよく使われ、配線はシンプルでコストも低いが、同時出力や大きな負荷能力は三相に比べて制限される。
- 直流電源
- 交流ではなく直流(DC)を供給する電源。三相電源とは別物で、機器によってはACをDCに変換して使う場合が多い。電圧の極性が一定で、蓄電池や電子部品の駆動に用いられる。
- 二相電源
- 2つの独立した相で構成される電力供給形態。三相には及ばないが、歴史的には存在した概念。現代の標準では一般的ではないが、位相数の違いとして対比に挙げられる。
- 四相電源
- 4つの相で構成される電力供給形態。三相とは異なる位相数で、特定用途の設計に現れることがある。実用性は限定的で、一般的ではない。
- 五相電源
- 5つの相で供給する電力形態。非常に珍しく、特殊用途の研究・開発環境などで見られることがある。
三相電源の共起語
- 三相交流
- 三相電源が供給する交流電力の総称。3つの相が互いに120度ずれて流れ、負荷を均等に分配します。
- 線間電圧
- 相と相の間の電圧。三相系では通常、線間電圧は相電圧の√3倍程度になることが多いです。
- 相電圧
- 各相と中性線(または中性点)間の電圧。単相基準の電圧のことを指します。
- 相順
- 三相電源の3つの相の流れの順序(例: A-B-C)。相順が違うとモーターの回転方向が変わります。
- 相位
- 各相の位相角。3相は通常120度ずれて配置されます。
- デルタ結線
- デルタ型の結線方式。線間電圧と相電圧の関係が星結線と異なります。
- 星結線(Y結線)
- 星型に結線する方式。中性点を取り出せる利点があります。
- 三相四線式
- 三相と中性線を供給する配電方式。家庭用などで用いられることが多いです。
- 三相三線式
- 三相の線だけを用いる配電方式。中性線を取らず、3線で供給します。
- 三相モーター
- 三相の電力で駆動するモーター。起動トルクと効率、回転安定性に利点があります。
- 三相発電機
- 三相の交流を発生させる発電機。電力系統へ供給される三相出力を作り出します。
- インバータ
- 直流を三相交流に変換して、モーター制御などに利用する装置。
- 力率補正/力率改善
- 電力利用を効率化するため、力率を改善する対策。
- 負荷バランス
- 三相間の負荷を均等にすること。アンバランスは機器の発熱や効率低下を招くことがあります。
- 周波数
- 電源の周波数。日本では一般的に50 Hzまたは60 Hzが使われます。
- 中性線
- 中性点を通る導体。星結線のときに中性線を用いることがあります。
- アース/接地
- 機器の安全のための接地。漏電防止と安全確保の目的で行われます。
- 過電流保護/過負荷保護
- 過電流や過負荷が発生した場合に回路を遮断して保護します。
- ブレーカー
- 過電流時に電源を遮断する開閉機器。
三相電源の関連用語
- 三相電源
- 三つの交流電流が120度ずつ位相をずらして流れる電力供給方式。大電力を効率よく送ることができ、モーターや発電機などで広く使われます。
- 三相交流
- 三相の交流電力のこと。3つの波形が互いにずれており、合成すると安定した電力供給になります。
- 相A
- 三相系の1つの電力路。A相は通常B相・C相と120度ずれて動作します。
- 相B
- 三相系の別の相。B相はA相・C相と120度ずれて動作します。
- 相C
- 三相系の別の相。C相はA相・B相と120度ずれて動作します。
- 位相差
- 三相間の位相角の差。標準的な3相系ではそれぞれ約120度ずつずれています。
- 星型結線
- 星型結線(Y結線)。各相を星の形のようにつなぎ、中性線(N)を取り出せます。
- Y結線
- 星型結線の別名。中性線を利用できる点が特徴です。
- 星形結線
- 星型結線の別称。中性点を活用する回路構成です。
- デルタ結線
- デルタ結線。端子を三角形の形に結ぶため中性線を取りません。線間電圧を直接負荷に使います。
- 三角結線
- デルタ結線の別称。線間電圧が主要な電圧指標となります。
- 三相四線式
- 三相3本の線に中性線を加えた配線方式。中性線を用いて中性電圧を得たり、不平衡を吸収したりします。
- 三相三線式
- 三相3本の線だけで負荷を接続する配線方式。中性線を使わない構成です。
- 中性線
- N。星型結線で中性点を取り出す導体。中性電圧を利用する用途で用いられます。
- 中性点接地
- 中性点を地面に接地する接地方法。基準電位を作り、過電圧時の安全性を高めます。
- 中性点
- 回路の0V基準点。星型結線時に中性点を作ることがあります。
- 三相発電機
- 三相の交流を発生させる発電機。3つの出力が120度ずつ位相をずらします。
- 発電機
- 電気を生み出す機械。三相出力を持つものが一般的です。
- 同期発電機
- 回転子の磁極と発生する電磁荷の周波数を同期させて出力する発電機。周波数安定性が高いです。
- 三相モーター
- 三相の電力で動くモーター。大電力を効率よく回せます。
- 誘導モーター
- 最も一般的な三相モーター。外部励磁を必要とせず起動が容易です。
- 同期モーター
- 回転子が磁場と同期して回るモーター。精密な回転速度制御に適しています。
- 三相インバーター
- 直流を三相交流に変換する装置。モータ駆動や再生電力システムに使われます。
- 三相変圧器
- 三相の電圧を変換する装置。高電力の送配電で利用されます。
- 力率
- 有効電力と視在電力の比。力率が高いほど電力を効率よく使えます。
- 有効電力
- P。実際に仕事をする電力。単位はワット(W)。
- 皮相電力
- S。見かけの電力。単位はVAで、有効電力と無効電力のベクトル和です。
- 無効電力
- Q。磁界を作るための電力。電力の遅れ・進みを表します(単位はvar)。
- 三相不平衡
- 三相の負荷が不均等で電圧・電流に差が生じる状態。機器の振る舞いに影響します。
- 負荷平衡
- 三相の各相に等しい負荷を接続してバランスを取ること。
- 相序
- A相→B相→C相の順序。正しい配線で回転方向を決めます。
- 周波数
- 系統の交流波形の周期。一般には50 Hzまたは60 Hzが使われます。
- 線間電圧
- 相と相の間の電圧。ライン間電圧とも呼ばれます。
- 相電圧
- 相と中性線間の電圧。VL-Nとして表現されることが多いです。
- Y-Δ起動
- 星型結線からデルタ結線へ切り替えて起動する三相モーターの起動方式。初期電流を抑える効果があります。
三相電源のおすすめ参考サイト
- 単相と三相の電源、単相電源と三相電源の違いとは? | Fluke
- 電線が3本のなぞ三相交流とは何か? - エコニュース
- 三相交流とは?わかりやすく解説! - やさしい電気回路
- 単相と三相の電源、単相電源と三相電源の違いとは? | Fluke