

岡田 康介
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眼瞼炎とは何か
眼瞼炎(がんけんえん)は、まぶたの縁の皮膚や油腺に炎症が起こる病気です。目のかゆみや痛み、まぶたの腫れ、目やにが出るなどの症状が現れます。原因はさまざまで、細菌の感染や油腺のつまり、アレルギー、刺激物などが関係することが多いです。誰にでも起こり得る普通の目の病気で、適切なケアと治療で回復します。
眼瞼炎のタイプと主な原因
前縁性睫毛炎はまぶたの外側の縁の炎症で、睫毛の生え際が赤くなり、目やにが多く出ます。
後部睫毛炎は油腺のトラブルで起こり、まぶたの裏側の炎症やしこりのような感じがあることがあります。
脂漏性眼瞼炎は皮脂の分泌異常により油っぽい目やにが続くことが特徴です。
主な症状
・まぶたの赤みや腫れ
・睫毛の根元にかさぶたのような色の変化や油っぽい目やに
・目のかゆみ・焼けるような痛み・異物感
・朝起きたときに目が開きにくいことがある
セルフケアと生活のコツ
炎症を悪化させないための基本を守りましょう。
温罨法と清潔:温かいタオルを10分程度、1日2回程度当てて油腺のつまりをやさしくほぐします。その後、清潔な手でまぶたの縁を優しく拭くか、温タオルで軽く拭きます。
手を清潔に保つ:眼に触れる前には必ず手を洗い、枕カバーやタオルなどは毎日清潔にします。
コンタクトと化粧品の取り扱い:炎症がある間はコンタクトレンズを避け、化粧品は控え、使用後は清潔に管理します。
睡眠と目の休息:十分な睡眠をとり、目を長時間酷使しないようにします。
受診が必要な場合と治療の流れ
自己判断で市販薬を長く使い続けるのは避けましょう。症状が改善しない場合や悪化する場合は眼科を受診してください。
受診時のポイント
受診時には、いつから症状があるか、どんな症状か、目に入った物質があるか、コンタクト利用の有無などを医師に伝えましょう。
よくある疑問
眼瞼炎は伝染しますか? 状況によっては伝染することがあります。適切な衛生管理と治療で早く改善します。
眼瞼炎の同意語
- 眼瞼縁炎
- 眼瞼の縁(睫毛が生えるまぶたの縁の部分)が炎症を起こしている状態。赤みや腫れ、かゆみや脂っぽい分泌物が生じることが多い、眼瞼炎の正式な表現のひとつです。
- 眼瞼部炎症
- まぶた全体の炎症を指す表現。眼瞼炎と同義で用いられることがあります。
- まぶた炎
- 日常的な言い方で、まぶたが炎症している状態を指します。
- まぶたの縁の炎症
- まぶたの縁(睫毛の生える部分の周辺)が炎症を起こしている状態を示す、具体的な表現です。
- 睫毛縁炎
- 睫毛の生え際の炎症を指す表現。眼瞼炎の一形態として使われることがあります。
- マイボーム腺性眼瞼炎
- 脂腺(マイボーム腺)の機能低下や分泌異常を伴う、眼瞼炎の代表的なタイプを指す専門的表現です。
- 脂腺性眼瞼炎
- 脂腺(特にマイボーム腺)の炎症を伴う眼瞼炎の名称。炎症の原因が脂腺に関係します。
- マイボーム腺炎
- マイボーム腺の炎症を指す略称的な表現で、脂腺性眼瞼炎の別名として使われます。
眼瞼炎の対義語・反対語
- 炎症なし
- 眼瞼炎が起きていない状態。炎症反応が認められず、炎症のない正常な状態を指します。
- 非炎症性
- 炎症を伴わない性質・状態。炎症が発生していないことを示す対義語的表現。
- 無炎症
- 炎症が全くない状態。軽度も含め炎症がないことを表す簡潔な言い方。
- 健常な眼瞼
- 炎症や病的変化がなく、機能が正常な眼瞼の状態。
- 正常な眼瞼
- 見た目と機能が正常な眼瞼の状態を意味する表現。
- 健全な眼瞼
- 眼瞼に病的変化がなく、健康であることを示す表現。
- 眼瞼の健全性
- 眼瞼が健康な状態で、炎症や異常が見られないことを強調する表現。
眼瞼炎の共起語
- まぶた
- 眼瞼炎が起こる部位である上下のまぶたの炎症。部位名として使われる。
- 眼瞼縁
- まぶたの縁の部分。炎症が縁に及ぶと発症や症状の中心になる。
- 睫毛
- まつげ。睫毛周辺の毛包や腺が炎症の影響を受けることがある。
- マイボーム腺機能障害
- 涙を構成する油分を分泌する腺の働きが乱れる状態で、脂漏性眼瞼炎の原因の一つ。
- 脂漏性眼瞼炎
- 脂漏性の性質を持つ眼瞼炎。油脂腺の分泌異常と炎症が特徴。
- 目やに
- 炎症により目の周りに分泌物が出ることが多い。
- かゆみ
- かゆみを伴うことが多い症状。
- 発赤
- 炎症によって結膜・眼瞼が赤くなる。
- 充血
- 結膜や眼球の血管が充血して見える状態。
- 結膜炎
- 結膜の炎症。眼瞼炎と同時に起こることがある。
- 乾燥感
- 眼表面の乾燥を感じることがある。
- 涙目
- 涙の過剰分泌や涙の出方の変化。
- 細菌感染
- 炎症を悪化させる細菌感染が関与することがある。
- 黄色ブドウ球菌
- 皮膚や眼瞼に常在する細菌の一つ。感染の原因になることがある。
- 洗浄
- まぶた縁を清潔に保つための洗浄ケア。
- 洗眼液
- 目の周りを洗浄する液体。市販のものもある。
- 温罨法
- 温かい湿布を用いて油腺のつまりを緩和する方法。
- 温熱療法
- 温罨法と同義。油脂腺のうっ滞を改善する方法。
- 抗生物質点眼薬
- 細菌感染が疑われる場合に使われる薬剤。
- 抗菌薬
- 抗菌作用を持つ薬全般。点眼薬・内服薬がある。
- ステロイド点眼薬
- 炎症を抑える薬。医師の指示で使用。
- 眼科受診
- 症状が長引く場合は眼科で診てもらうこと。
- 予防
- 日頃の衛生・ケアで再発を防ぐこと。
- 慢性
- 長期間続く炎症の性質。
- 再発
- 治っても再び炎症が出ること。
眼瞼炎の関連用語
- 眼瞼炎
- 眼瞼の縁(まぶたの縁)を炎症させる総称。目のかゆみや赤み、目やに、腫れといった症状が現れます。
- 眼瞼縁炎
- 眼瞼炎の別名。まぶたの縁の炎症を指し、前方眼瞼炎と後方眼瞼炎の両方を含むことがあります。
- 前方眼瞼炎
- 眼瞼縁の表側(睫毛の生え際)に炎症が起こるタイプ。脂漏性皮膚炎や細菌感染が関与することが多いです。
- 後方眼瞼炎
- 眼瞼縁の奥にあるマイボーム腺の炎症・閉塞が原因のタイプ。涙の脂質成分の分泌異常を伴います。
- マイボーム腺機能不全
- マイボーム腺の分泌量・質が低下・不均一になり、涙の蒸発が進んで眼瞼炎を悪化させます。
- マイボーム腺
- 涙のオイル分を作る腺。眼瞼炎の主な病因のひとつで、機能障害が症状の原因になります。
- 腺閉塞
- マイボーム腺などの腺が詰まり、脂の排出が妨げられる状態。後方眼瞼炎の関係項目です。
- 麦粒腫
- 眼瞼の腺が急性化膿して腫れて痛む疾患。眼瞼炎と併発することがあります。
- 霰粒腫
- 眼瞼腺の慢性閉塞により生じる無痛性の腫瘤。長期の眼瞼炎の合併として現れることがあります。
- 乾燥眼
- 涙の量が不足したり質が低下したりして、目が乾燥する状態。眼瞼炎と悪化循環を作ることがあります。
- 脂漏性皮膚炎
- 頭皮・眉毛周りにみられる炎症性皮膚疾患。前方眼瞼炎と関連することがあります。
- 結膜炎
- 結膜の炎症。眼瞼炎と併発することが多く、目やに・充血が見られます。
- アレルギー性結膜炎
- アレルギーが原因の結膜炎。眼瞼炎と併発する場合があります。
- 角膜炎
- 角膜の炎症。重症化すると視力に影響する可能性があり、眼瞼炎の波及で起こることがあります。
- 角膜潰瘍
- 角膜の深い障害で、緊急性の高い合併症。眼瞼炎が原因で発生することがあります。
- 眼瞼縁洗浄
- 眼瞼の縁を清潔に保つケア。温罨法と併用して炎症を緩和します。
- 温罨法
- 温かい湿布で眼瞼周囲の腺の排出を促す療法。涙の分泌を補助する効果があります。
- 抗菌薬点眼
- 細菌感染が疑われる場合に使われる点眼薬。症状の改善を図ります。
- 抗菌薬軟膏
- 就寝前などに用いる抗菌薬の軟膏。眼瞼縁の清潔と併用します。
- 抗炎症薬点眼
- 炎症を抑える目的の点眼薬。症状を緩和しますが長期使用には注意が必要です。
- 人工涙液
- 乾燥を和らげるための人工的な涙液。涙液の補充として使われます。
- 化粧品衛生
- 化粧品の衛生管理。清潔な道具の使用と古い化粧品の廃棄が推奨されます。
- 裂隙灯顕微鏡検査
- 眼科で行う詳しい検査。眼瞼縁や角膜・結膜の状態を観察します。
- Schirmer試験
- 涙の分泌量を測る検査。乾燥眼の評価に用いられます。