後期印象派とは？特徴と代表作家を初心者にも分かる解説共起語・同意語・対義語も併せて解説！

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岡田康介

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後期印象派とは？

「後期印象派」は、印象派のあとに現れた絵画の流派を指す言葉です。印象派の明るく日常的な風景描写をもとに、作者たちは色彩と形を新しく組み合わせることで、感情や構図を強く伝えようとしました。

この時代の画家たちは、同じ景色を見ても「どう捉えるか」が人それぞれであることを大切にしました。色の質感を細かく積み上げる方法や、線と形の“構造”を意識する描き方が特徴です。

時代背景

印象派の作品が街の光と瞬間の印象を素早く捉えるのに対して、後期印象派の画家は「物のかたちをどう見せるか」を深く考えます。1870年代後半から1890年代にかけて活躍した画家たちは、絵の中の色の階調や構図を緻密に計画しました。これにより、同じ風景でも見る人の感じ方が変わる作品が生まれました。

特徴

特徴1 色を単純に混ぜるのではなく、分割して置くことで明暗を作る「分割色彩」や「点描」を使った作風も見られました。

特徴2 物の形を“すばやく描く”印象派の筆致を超え、形の構造を重視して描くことが多くなりました。

特徴3 主題は自然風景や静物、時には人の表情や感情を強く表現する作品もあります。

代表作家と作品の理解

後期印象派に関連づけられる作家としては、ポール・セザンヌが最も有名です。セザンヌは自然を見る際、円・三角・四角といった形を再配置することで「形の普遍性」を追求しました。

また、関連として挙げられる作家には、色彩と筆致を強く駆使して風景や静物を描いた画家がいます。ファン・ゴッホのような作家は、色の対比や筆の動きを通じて感情を表す新しい流れを示しました。

色と表現の見方

後期印象派の作品を見分けるコツは、色の使い方と構図の工夫です。鮮やかな色を並べて景色を作る「色の競演」は多く、形をはっきりさせつつ、色の美しさを中心に描く傾向があります。作品を観るときは、作者が伝えたい「感じ方」を想像してみてください。

見どころとよくある誤解

後期印象派の魅力は色の組み合わせの新しさと、形の捉え方の緻密さです。よくある誤解としては、すべての作品が同じように“ぎっしり細かく描く”わけではない点があります。実際には、色の配置と筆使いの選択で、観る人の心に響く作品を作っています。

結論

後期印象派は、印象派の出発点を受け継ぎつつ、色と形の新しい組み合わせを追求した流派です。現代の絵画にも影響を与え、後の近代美術の発展につながる重要な一歩となりました。美術館で見かける風景画を、ただ眺めるのではなく、色がどう組み合わされているか、形がどう組み立てられているかを意識して見ると、より深く楽しめます。

後期印象派の同意語

ポスト印象派: 印象派の後期を指す日本語表現で、セザンヌ／ゴーギャン／ゴッホらが色彩の扱い・構図・主観性を深め、印象派の光と日常性を超えた独自の表現へと展開した19世紀末の美術運動です。
新印象派: 19世紀末に起こった派閥で、色彩を科学的に扱い、点描法のような技法を用いて色を並べ、遠くから見ると色が混ざって見える視覚効果を狙います。後期印象派の流れの一派として位置づけられることが多く、代表的な画家にはジョルジュ・スーラとポール・シニャックが含まれます。
ネオ印象派: New Impressionism（ネオ印象派）とも呼ばれ、後期印象派の流れの一つとして、色彩理論と科学的観点を重視する運動です。代表的な作家はジョルジュ・スーラ、ポール・シニャックなどで、点描法を含む技法が特徴です。
点描派: 点描派はネオ印象派の代表的技法の一つで、細かな色点を規則的に配置して視覚的に色を混色させる方法です。絵の見え方を科学的に分析する試みの一環として、後期印象派の作風にも影響を与えました。

後期印象派の対義語・反対語

前期印象派: 意味: 印象派の初期段階を指す語。まだ技法や主題が確立せず、光と色の捉え方を模索していた時期の印象派。
印象派以前: 意味: 印象派が台頭する以前の美術史の段階。ロマン主義・写実主義・アカデミズムが混在し、印象派の新しい視覚体験が生まれる前の動向。
写実主義: 意味: 事物をできるだけ正確・客観的に描くことを重視する絵画運動。印象派の瞬間的な光の表現や感覚的描写とは対照的。
現実主義: 意味: 現実世界の事実をそのまま描写することを重視する考え方・運動。写実主義と同様に、理想化を抑える点が印象派と対立する場合がある。
アカデミズム絵画: 意味: 美術教育機関の規範に従い、歴史・神話題材を題材とした伝統的・公式的絵画。技巧は高いが自由さ・新しさを抑制する傾向があり、印象派とは異なる伝統。
ロマン派: 意味: 個人の感情・自然の崇高さを強調する芸術運動。外の世界の素早い光景より、心象やドラマを重視する点で印象派と対立することがある。
古典派: 意味: 理性・秩序・理想美を重んじる伝統的美術様式。自然主義や印象派の即興性に対して、規範的・整然とした美を追求。
象徴主義: 意味: 内面的な象徴・神秘性を重視する運動。外界の光景を直接描く印象派より、象徴的意味を優先する表現。
抽象絵画: 意味: 具体的な対象を超え、形・色・線を抽象的に構成する絵画。印象派が現実を感覚的に捉えるのに対し、抽象は現実の再現を離れる表現を目指す。