岡田 康介
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東ローマ帝国とは何か
東ローマ帝国は ローマ帝国の東部を継承した中世の国家です。正式には ローマ帝国の継承国家とみなされ、現代の地中海世界とヨーロッパの歴史に大きな影響を残しました。330年 に皇帝 コンスタンティノープル へ都を移し、以後長い間 東部のローマ帝国として存続します。
起源と時代区分
西側のローマ帝国は 476年 に崩壊しましたが、東側は文化と行政を引き継ぎ続けました。歴史の教科書ではこの国家を 東ローマ帝国 または ビザンツ帝国 と呼ぶことが多いです。彼らの公用語は長い間 ギリシャ語、公的な法律は ユスティニアヌス法典 としてまとめられました。
代表的な時代と出来事
帝国の象徴的な時代には ユスティニアヌス1世 が治め、法典 の整備と ハギア・ソフィア大聖堂 の建設が行われました。さらに 聖像崇拝 の論争や宗教的対立もありました。商業と技術 の面では地中海貿易の要として繁栄し、商人と職人の力で都市は活気づきました。
下の表は東ローマ帝国の主要な出来事をまとめたものです。
なぜ学ぶのか
東ローマ帝国は 大きな宗教文化の影響を与えた ギリシャ正教 の中心地であり 古代ローマの 法典 や行政の考え方を受け継ぎました。建築 や 美術 も発展し、後のヨーロッパの文明に多くの影響を与えました。現代の教会や美術館に残る作品はこの帝国の遺産を示しています。
終わりと遺産
1453年の陥落後は オスマン帝国 の支配下に入りましたが、その文化と宗教、芸術は周辺地域へと影響を広げ続けました。東ローマ帝国は「ローマ帝国の継承者」として、長く世界史の中で重要な位置を占める文明です。
東ローマ帝国の同意語
- ビザンツ帝国
- 東ローマ帝国の最も一般的な呼称。西ローマ帝国が滅んだ後、東部で成立した中世の帝国を指す語です。
- 東方ローマ帝国
- ローマ帝国の東部領域を指す表現。地理的・政治的区分を強調する際に用いられる同義語です。
- 東ローマ世界
- 東ローマ帝国の政治・文化・社会圏を広く指す表現。研究的文脈で使われることが多い語です。
- ビザンツ世界
- ビザンツ帝国の文化圏・影響圏を指す語。日常的には比喩的にも使われます。
- ローマ帝国の東部
- ローマ帝国の東方領域を指す説明的な語。学習用・解説用に用いられる同義語です。
東ローマ帝国の対義語・反対語
- 西ローマ帝国
- 東ローマ帝国の対義語として、地理的・時代的に対になる西方のローマ帝国。476年ごろまで西方に存続したとされ、東西の分裂を象徴する対概念。
- 西方のローマ帝国
- 西ローマ帝国と同義の別表現。東西の対比を語るときに用いられる代表的な antonym のひとつ。
- 西洋世界
- 東ローマ帝国が属する東方の文明に対して、地理・文化的に西側の文明圏を指す大きな対概念。
- 西欧諸国
- 西ヨーロッパの国々を総称する語。東ローマ帝国の対比として、地域的・政治的対立を説明する際に使われることがある。
- 西方帝国
- 西方に位置する帝国・勢力を指す総称。東ローマ帝国の対義語として使われることがある表現。
- 東西対立
- 東方と西方の政治・文化の対立を表す概念。東ローマ帝国と西方世界の対比を説明する際によく用いられる。
- 東西の対比
- 東方と西方という大きな世界観の対立・比較を示す語。東ローマ帝国と西方世界の比較説明に適した表現。
東ローマ帝国の共起語
- ビザンツ帝国
- 東ローマ帝国の別称。古代ローマ帝国の東部領土を中心に中世に存続した国家。
- コンスタンティノープル
- 帝国の首都。現在のイスタンブール。政治・経済・宗教の中心地。
- ユスティニアヌス1世
- 6世紀の皇帝。ローマ法大全の編纂と領土の最大版図を達成した。
- ローマ法大全
- ユスティニアヌス法典とも。ローマ法を集大成した法典で、法制度の基盤となった。
- テオドーラ
- ユスティニアヌス帝の皇后。政治・社会改革にも影響力を持った人物。
- アヤソフィア
- ハギア・ソフィア聖堂。ビザンツ建築とモザイク芸術を象徴する大聖堂。
- チャルセドン公会議
- 451年の公会議。キリスト教の教義を確定し、正統派の形成に影響。
- ニカの乱
- 532年の大規模暴動。帝国政権の安定と宗教・法改革に影響を与えた事件。
- ギリシャ語
- 帝国の公用語。行政・学術・文化の中心言語として広く用いられた。
- 東方正教会
- 帝国の宗教組織。現在の正教会の母体となり、帝国文化にも大きく影響。
- 大分裂
- 1054年の東西教会の分裂。東西教会が公式に別組織となった出来事。
- 聖像崇拝
- 聖像への信仰崇拝を肯定する立場。信仰と政治の接点で論争が起きた。
- 聖像崇拝禁止
- アイコン・クラシマとして知られる聖像廃止・禁止の時期。東方正教会内外に影響。
- モザイク
- ビザンツ美術の代表的表現技法。聖堂内装飾に多く用いられた色彩豊かなモザイク。
- アイコン
- 聖像の略称。信仰の対象として崇拝の対象となる聖像を指す。
- アナトリア
- 帝国の中心地であり、長期間にわたり防衛と行政の拠点となった地域。
- バルカン半島
- 帝国の北西の領域。多民族が共存し、軍事・外交の重要な舞台となった。
- アラブの征服
- 7世紀以降のイスラム勢力による領土縮小。東ローマ帝国の領土が徐々に奪われた。
- 第四回十字軍
- 1204年の十字軍によるコンスタンティノープルの略奪・占領。帝国の分裂を深めた。
- オスマン帝国
- 15世紀以降、東ローマ帝国を侵攻・征服して帝国の終焉を導いた勢力。
- コンスタンティノープル陥落
- 1453年、オスマン帝国によって都が陥落。東ローマ帝国の実質的な崩壊に繋がる。
- ブルガリア帝国
- 周辺の強力なライバル国のひとつ。帝国内は同盟・抗争を繰り返した。
- ローマ法
- 帝国の法体系の伝統。現代の法制度にも影響を与えた法の源流。
東ローマ帝国の関連用語
- 東ローマ帝国
- 4世紀頃にローマ帝国が東西に分裂した後の東側の帝国。首都はコンスタンティノープルで、1453年の陥落まで存続した。
- ビザンツ帝国
- 東ローマ帝国の別称。学術的な呼称として広く使われる。
- コンスタンティノープル
- 帝国の首都。交易・文化の中心地で、現在のイスタンブール。
- バシレウス
- 東ローマ帝国の皇帝を指すギリシャ語の称号。
- ユスティニアヌス1世
- 6世紀の皇帝。ローマ法の体系化と東方征服の再建、壮麗な建築・行政改革を推進した。
- ユスティニアヌス法典
- Code・Digest・Institutes・Novelsを統合した法典。中世法制の基礎となり、西欧の法にも影響を与えた。
- カルケドン公会議
- 451年、キリスト教の教義を確定した公会議。人性と神性の関係を巡る教義を扱う。
- ニカイア公会議
- 325年、アタリ派の教義問題を解決し、信仰告白（ニカイア信条）を確立した会議。
- 大シスマ
- 1054年、東西教会の教義・組織の対立が決定的となり分裂した出来事。
- 正教会
- 東方正教会の総称。教会組織はコンスタンティノープル総主教を中心とする。
- 聖像崇拝
- 聖像を崇拝・崇敬する信仰・実践のこと。
- 聖像崇拝禁止
- 聖像崇拝を否定・禁止する運動（Iconoclasm）。726-787年および814-843年に発生。
- アヤソフィア大聖堂
- コンスタンティノープルの象徴的聖堂。ビザンツ美術の頂点とされる建築。
- 第四次十字軍
- 1202-1204年、教皇と諸侯の対立も影響し、コンスタンティノープルを占領・略奪した一連の遠征。
- ラテン帝国
- 第四次十字軍の後、コンスタンティノープルを中心に西欧勢力が支配した短命の帝国。
- パレオロゴス朝
- 1261年に帝国を再興したビザンツ王朝。1453年まで存続。
- コンスタンティノープル陥落
- 1453年、オスマン帝国に陥落してビザンツ帝国は事実上終焉。
- オスマン帝国
- 1453年の征服以降、帝国の領土を拡大。ビザンツ帝国の終焉と中東・地中海の支配を確立。
- テーマ制度
- 行政・軍事を地域別の“テーマ”として組織する制度。中世ビザンツ帝国の重要な改革。
- ギリシャ語
- 公用語として長く使用され、行政・文学・宗教の基盤となった言語。
- ラテン語
- 初期には公用語として使われたが、後には主要な行政言語ではなくなった言語。
- ローマ法の継承
- ローマ法を継承・整理・適用し、ビザンツ帝国の法制度の基盤となった。
- イスラム教勢力の拡張
- 7世紀以降、イスラム勢力の台頭により帝国の領土が縮小していった。
- コンスタンティノープル総主教
- 東方正教会の最高位聖職者。
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