

岡田 康介
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イエズス会・とは?
イエズス会は、カトリック教会の修道会の一つで、正式には「Society of Jesus(イエズス会)」と呼ばれます。創設者は聖イグナチオ・デ・ロヨラで、1534年ごろに仲間とともに組織を作り、1540年に教皇庁から正式に承認されました。世界中に広がる教育・宣教の伝統が特徴です。
特徴と四つの誓い
イエズス会のメンバーは、貧困・貞潔・従順の三つの基本的な誓いに加え、教皇への特別な任務に従う宣誓を立てます。これは「使徒的使命の宣誓」と呼ばれ、宣教や教育の現場での自由と献身を保つことを意味します。
活動の領域
主な活動は、教育と研究、宣教、そして社会奉仕です。世界各地に学校・大学・研究機関を設立・運営し、子どもから大人までの学びの場を提供しています。歴史上、大学の設立や宣教の拠点として多くの都市に拠点を築き、科学・人文学・語学といった分野で貢献してきました。
日本と世界の歴史
日本にも16世紀末に宣教師が来て、長崎を中心に布教活動を行いました。初期の活動は文化交流と教育の普及にもつながりましたが、幕府の政策や他の政治的要因で制約を受け、時代ごとに状況は変化しました。世界では1773年の一時的な解散がありましたが、1814年に教皇庁が再興を認め、以後は現代の慈善・教育・研究の団体として活動を続けています。
現代のイエズス会
現在のイエズス会は、学問の探求と道徳的な行動を重視し、世界中の学校や団体とともに地域社会の課題に取り組んでいます。宗教的な伝統を守りつつ、対話と理解を重視する姿勢を持ち、教育を通じた人材育成や社会貢献を目指しています。
このように、イエズス会は「教育と宣教を通して世界をつなぐ組織」という見方が多くの人に共有されています。名前の由来や歴史、そして現代の活動を知ると、宗教団体が社会にどのような影響を与えてきたのかが少し見えてきます。
イエズス会の同意語
- ジェズイット
- イエズス会の英語名 'Jesuit' を日本語風に表記した別称。団体そのものや団体に属する人を指す文脈で使われることがある。
- イエズス会士
- イエズス会に所属する神父・修道士を指す語。個人の会員を表すときに用いられる。
- イエズス会員
- イエズス会の正式な会員を意味する表現。団体の構成員としての意味合いが強い。
- The Society of Jesus
- この団体の正式名称を英語で表した表現。日本語文献でも同義語として扱われることがある。
- ジェズイットと呼ばれる団体
- 英語名の直訳的表現として、イエズス会を指す総称的な言い方。
イエズス会の対義語・反対語
- 世俗団体
- 宗教修道性を持たず、日常生活や世俗的な活動を中心に活動する団体。イエズス会のような修道会の対義的なイメージとして挙げられる語です。
- 在俗団体
- 修道会に所属せず、一般信者が核心を担う団体。実務・奉仕活動が中心で、誓願性がない点が対照的です。
- 非修道会
- 修道会でない団体。修道性を前提としない組織形態として対比されます。
- 無誓約団体
- 誓約や戒律を正式に取らない団体。イエズス会のような誓願制に対する対比として使われることがあります。
- 在家団体
- 僧侶や修道士としての専念をせず、在家の信者が主体となる組織。
- 世俗性
- 宗教的修道性を超え、日常生活・世俗的価値を重視する性質・思想。
- 無宗教団体
- 宗教的信仰や教義を前提としない団体。信仰を公的に掲げない組織形態を指します。
- 教会外部団体
- 教会機関に直接属さず、一般社会に開かれた団体。宗教性が薄い場合に対比として使われます。
- カトリック以外の団体
- カトリック教会に所属しない団体。対比的に挙げる表現です。
- キリスト教以外の団体
- キリスト教以外の宗教・無宗教の団体を指す表現。
- 反イエズス会
- イエズス会に対して批判・対立的な立場を示す語。歴史的には反イエズス会運動として使われることがあります。
- 反修道会思想/反修道運動
- 修道会に対抗する思想・運動。イエズス会の対極として語られることがあります。
イエズス会の共起語
- 聖イグナチオ・デ・ロヨラ
- イエズス会の創設者であり、会の精神と霊性の源泉となった聖人。
- イエズス会士
- イエズス会に所属する修道会員。教育・伝道・研究などの活動を行う。
- 宣教師
- 世界各地へ派遣され、信仰伝播や教育・社会奉仕を担う役割の人々。
- 伝道
- 信仰を広めるための布教・教化活動。
- 教育機関
- イエズス会が運営する学校・大学・教育機関の総称。
- 学校
- 初等・中等教育機関から大学・高等教育まで、教育事業を行う。
- 大学
- 高等教育機関で、宗教・哲学・神学・科学などを教えることが多い。
- 学術機関
- 研究・知識の探究を行う機関。イエズス会の大学・研究所など。
- 神学
- 宗教・神学の研究分野。イエズス会の教育・研究に欠かせない領域。
- 哲学
- 思考・倫理・形而上学の学問分野。イエズス会の伝統にも深く関係する。
- 科学
- 天文学・物理学・数学など、科学分野の研究にも関与してきた歴史がある。
- カトリック教会
- カトリック教会の一組織としての位置づけ。イエズス会はこの教会に属する団体。
- ローマ教皇
- 教皇庁と連携し、教会全体の指導構造の一部として活動することが多い。
- 教皇庁
- ローマ教廷。イエズス会は教皇庁と協力して機能することがある組織。
- 修道会
- キリスト教の組織の一つで、誓願を立てて宗教活動を行う集団。
- ロヨラ会
- 日本語での正式名称である「イエズス会」の別称・略称。宗教団体としての呼称。
- 聖イグナチオの霊性
- 内省・祈り・奉仕を通じて神との結びつきを深める霊的実践。
- 日本のイエズス会
- 日本におけるイエズス会の宣教史・教育・社会貢献の歴史。
- 対抗宗教改革
- 宗教改革に対抗する教会の改革運動と結びつく歴史的背景。
- 出版・学術出版
- 書籍・論文の刊行・情報発信を通じた影響力。
- 奉仕・教育活動
- 貧困層への教育・社会奉仕などの実践活動。
イエズス会の関連用語
- イエズス会
- カトリック教会に所属する修道会の一つ。宣教・教育・研究を重視し、四つの誓願をとる。1540年に設立。
- 別名
- ジェズイット(Jésuites)とも呼ばれることがある。
- 創設者
- イグナティウス・デ・ロヨラ(Ignatius of Loyola)。イエズス会の創設者。
- 設立年
- 1540年
- 総長
- イエズス会の最高責任者。現任は アルトゥーロ・ソーサ・アバスカル(Arturo Sosa Abascal)
- 三つの誓願
- 貧困・貞潔・従順の三つの誓願。修道会の基本倫理。
- 四つの誓願
- 三つの誓願に加え、教皇の使節任務への特別な従順を含む四つ目の誓願。
- スピリチュアル・エクササイズ
- 聖イグナチオの霊性修練法。内省・祈り・決断を統合する実践。
- Ignatian spirituality
- イグナツィオ派の霊性。日常生活と宣教に結びつく実践的信仰の道。
- Ratio Studiorum
- イエズス会の教育機関の基本規範。学習指導法・カリキュラムの指針となる文献。
- 教育への貢献
- 世界中に学校・大学を設立・運営し、教育・学問の発展に大きく寄与。
- 宣教師
- 異国の地へ派遣され、福音伝播と社会貢献を行う任務。
- フランシスコ・ザビエル
- 初期の有名な宣教師。日本・アジアで布教活動を行った。
- マテオ・リッチ
- 中国で布教を進めた代表的宣教師。
- ディオゴ・ラ・イネス
- 初期共同創設者の一人。宣教活動の組織化に寄与。
- アルフォンソ・サルメロン
- 初期共同創設者の一人。
- ニコラス・ボバディア
- 初期共同創設者の一人。
- 日本宣教
- 戦国時代の日本に宣教活動を展開。長崎・平戸を拠点に布教と教育を行った。
- 中国宣教
- 中国で宣教を試みた宣教師たちの活動。儒教文化との対話を模索。
- 中国礼儀の論争
- 中国礼儀の論争(Chinese Rites Controversy)により儀礼の適否が議論となった歴史。
- Ad maiorem Dei gloriam
- ラテン語で『神の栄光のために』。イエズス会のモットー。
- 教皇庁・監督関係
- 教皇の直接的な監督下で活動する組織。宣教・教育方針は教皇庁と連携。
- 現代の地域的影響
- 世界中で教育・宣教・研究を推進。多くの大学・学校を運営・支援。