

岡田 康介
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アブストラクトアートとは?
アブストラクトアートとは、現実の物をそのまま描くのではなく、色や形、線の組み合わせで感情や印象を表現する美術の一つです。このジャンルは鑑賞者それぞれの解釈を尊重する点が大きな魅力で、作品は必ずしも分かりやすい意味を持つ必要はありません。
特徴と見るポイント
主な特徴として、形を単純化した図形、自由な構図、色の組み合わせの心理効果が挙げられます。鑑賞者は作品をとらえた瞬間の感情を覚え書きのように頭に残します。
歴史と背景
アブストラクトアートは20世紀初頭に広まりました。カンディンスキーやモンドリアンなどの画家が、現実世界をそのまま写すよりも内面の感情を画布に表現する道を開いたのが始まりです。モダンアートの重要な流れとして、色と形の関係を探る作家が増えました。
初心者向けの作り方
材料は少なく始めるのがコツです。紙と絵具だけでも十分です。次の4つのステップを順番に試してみましょう。
1つ目は色を選ぶこと。暖色と寒色の組み合わせで作品の雰囲気を決めます。2つ目は形を組むこと。円や三角、線の組み合わせでリズムを作ります。3つ目は構図を決めること。左右のバランスや空白の使い方を考えます。4つ目は描くこと。線を重ね、筆の速度や圧力を変えてみましょう。
色の心理と表現の自由
色にはそれぞれ印象があります。赤は情熱、青は落ち着き、黄は元気さなど、色の組み合わせが作品の意味を作ります。抽象アートは意味を押し付けず、鑑賞者の解釈を大切にします。
具象美術との違い
観点 | 具象美術 | アブストラクトアート |
---|---|---|
対象 | 現実の形を写す | 色や形で感情や印象を表す |
表現 | 細部までリアルに描く | 全体の雰囲気やリズムを重視 |
技法 | 写実的技法が中心 | 自由な形態と配色を追求 |
身近で楽しむヒント
日常の風景の色を観察して、それをそのまま描くのではなく、色を少し置き換えたり、形を抽象化してみる練習をしてみましょう。自分の感じ方を大切にする姿勢が大切です。
道具と材料の話
初心者はまず紙と絵具で十分です。後で筆の太さを変えたり、マスキングテープを使って形を作ったり、スポンジで色を混ぜるなど、道具の使い方を工夫すると新しい表現が生まれます。完成までのプロセスを楽しむことが上達のコツです。
まとめ
アブストラクトアートは、現実の形を超えた表現の自由さが魅力です。鑑賞者それぞれの想像力を引き出すため、作品の意味を押し付けず、対話を楽しむ姿勢を持つと良いでしょう。
アブストラクトアートの同意語
- 抽象画
- 具象(現実の形)を直接描かず、色・形・線の抽象的な組み合わせで表現した絵画の総称。アブストラクトアートの代表的な形のひとつです。
- 抽象絵画
- 絵画の形式で、抽象的要素だけを用いて表現された作品。抽象画とほぼ同義で使われます。
- 抽象美術
- 美術全般のジャンルとして、具象を離れた抽象的表現を中心に据える表現形態。
- 抽象芸術
- 抽象的な表現を重視する芸術全体の総称。色・形・線で感情や概念を伝えます。
- 抽象アート
- 現実の形を直接描かず、色・線・形の抽象性で表現する作品群。アート全般を指す言い方。
- 非具象アート
- 具体的なモチーフを描かず、抽象的・非具象な表現を追求する美術。
- 非具象美術
- 具象でない美術全般を指す言い方。抽象アートの広義カテゴリとして使われます。
- 幾何学的抽象
- 幾何学的な形・パターンを用いた抽象表現。反復・単純形が特徴となることが多いです。
- 幾何学的抽象画
- 幾何学的要素を主体とした抽象絵画。
- 抽象表現主義
- 20世紀中頃の美術運動。作家の内面の感情を色・線・筆致で激しく表現する抽象表現の一派。
- 現代抽象美術
- 現代の文脈で展開される抽象美術の総称。新しい技法・素材を取り入れた作品を含みます。
- 抽象モダンアート
- モダンアートの一形態としての抽象作品を指す語。現代的な抽象表現を含みます。
アブストラクトアートの対義語・反対語
- 具象美術
- 抽象ではなく、認識できる対象を具体的に描く美術。アブストラクトアートの対義語として日常的に用いられます。
- 具象画
- 認識可能な対象を描く絵画。写実性を必須としない場合もあるが、抽象の対極として使われがちです。
- 写実主義
- 現実世界を忠実に再現し、細部まで正確に描く美術の流派。写真のような精密さを目指すことが多い。
- 写実絵画
- 写実的な絵画で、現実をありのまま描く作品群。
- リアリズム
- 現実世界をありのままに描く美術の立場・表現。抽象の反対語としてよく使われます。
- 現実描写
- 現実の出来事や風景を具体的に描く表現手法。抽象性が低い作品を指すことが多い。
- 写真風表現
- 写真のようにリアルで細部まで描く表現。写真写実主義寄りの手法を指すことが多い。
- 具象表現
- 認識可能な主題を具体的に表す表現方法。抽象性を避けた表現系として扱われます。
- 現実的表現
- 現実をありのまま・現実的な技法で描く表現スタイル。
- 具象アート
- 抽象でない、具象を重視した美術・作品の総称。
アブストラクトアートの共起語
- アブストラクトアート
- 英語表記の abstract art の日本語表現で、現実世界の具体的モチーフを排除し、色・形・線・質感などの要素だけで表現する美術ジャンル。
- 抽象アート
- 現実世界のモチーフを図案化せず、色や形、線といった要素の関係性で表現する美術のスタイル。
- 抽象画
- キャンバス上に具体的な題材を描かず、抽象的な形や色の組み合わせを楽しむ絵画作品。
- 抽象表現主義
- 20世紀中頃の美術運動で、画家の感情や直感を強く筆致で表現するのが特徴。
- 現代美術
- 現代の美術全体を指す言葉で、抽象作品も多く含まれる。
- 現代アート
- 現代美術と同義。最新の技法や発想を取り入れた作品群。
- 美術史
- 絵画や彫刻など美術作品の歴史と発展を学ぶ学問・分野。
- 色彩理論
- 色の組み合わせが作品の印象や感情に与える影響を研究する分野。
- 色彩
- 絵画における色の選択と配色。作品の雰囲気を大きく左右する要素。
- 形
- 図形の大きさや比率、配置など作品の形を作る要素。
- 線
- 描画の線の太さ・角度・リズムを指す基本的要素。
- 幾何学
- 幾何学的形や規則的な配置を用いた表現。
- 非具象
- 現実の形を描かず、抽象的な表現を追求する特性。
- 構成
- 作品全体の要素の配置と関係性。視線の誘導やバランスを作る。
- 構図
- 画面の組み方。要素の配置と視覚的な流れを決定づける。
- テクスチャ
- 表面の質感。筆触や材料の厚みが視覚・触感に影響。
- 質感
- 作品表面の感じられる触感や視覚印象。
- キャンバス
- 絵画の支持体。絵具をのせる平らな布地の布帛。
- 絵具
- 色を塗る材料の総称。油彩・アクリル・水彩などがある。
- 油彩
- 油性絵具を用いた伝統的画法。深みのある色と質感が特徴。
- アクリル
- 水性の速乾絵具。扱いやすく現代アートで広く使われる。
- アクションペインティング
- 筆や体の動きを強く感じさせる技法。作品にダイナミズムを生む。
- ミニマルアート
- 余分な要素を排した最小限の形と色で本質を表現する流派。
- カンディンスキー
- 抽象美術の先駆者の一人。色と形の組み合わせで精神的体験を追求。
- モンドリアン
- 幾何学的な色ブロックを用いた抽象画の代表者。
- ジャクソン・ポロック
- アクションペインティングの代表的人物。大柄な動作で絵具をキャンバスに散らす技法。
- 抽象絵画
- 抽象表現を用いた絵画作品を指す呼称。
- 視覚言語
- 色・形・線など視覚要素を意味のある言語として用いる考え方。
- 鑑賞ポイント
- 抽象作品を理解・楽しむ際のポイント。色の組み合わせや構成、質感の変化を観察するコツ。
アブストラクトアートの関連用語
- アブストラクトアート
- 現実の対象をそのまま描くのではなく、色・形・線・質感などの要素を組み合わせて感情や思想を表現する美術ジャンル。
- 抽象美術
- 現実世界の形を直接写さず、抽象的な形や色だけで表現する美術の総称。
- 抽象表現主義
- 20世紀中頃に広がった、自由な筆致と激しい色使いで内面的感情を表現する美術運動。
- 幾何学的抽象
- 幾何学的な形を組み合わせ、秩序やリズムを追求する抽象美術のスタイル。
- 自由抽象
- 具象を超えた自由な筆致と色使いで自然や感情を連想させる抽象表現を指す。
- 有機的抽象
- 自然界の有機的な形や曲線を抽象化した表現形式。
- カラー・フィールド・ペインティング
- 色の大きな面を使い、色そのものの関係性を通じて感情を表現する抽象絵画の一派。
- アクションペインティング
- 絵具を垂らしたりたたいたりする動作を通じて制作過程を表現する抽象表現主義の技法。
- デ・ステイル
- 縦横の黒い線と基本色を用いる幾何学的抽象のオランダ発の美術運動。
- コンストラクティビズム
- ロシア発の幾何学的抽象美術運動で実用性と機械的美学を重視する傾向。
- ワシリー・カンディンスキー
- 抽象絵画の先駆者であり音楽のような色彩と形の調和を追求した画家。
- カジミール・マレーヴィチ
- 完全な抽象性を追求したロシアの画家で黒の正方形などを制作した。
- ピエト・モンドリアン
- デ・ステイルの中心人物で縦横の黒線と基本色を用いる幾何学的抽象を推進。
- ジャクソン・ポロック
- アクションペインティングの代表的作家で制作過程をパフォーマンス的に表現した。
- マーク・ロスコ
- 色の大きな面を使った色場絵画の代表作家で色の感情的反応を重視。
- バーナード・ニューマン
- 大きな単色面と黒い縁取りで抽象美を表現する画家。
- アド・ラインハルト
- 最小限の色と形だけで極端に抽象化した作品を追求したアメリカの画家。
- フランク・ステラ
- 幾何学的モチーフを用い板状の塗りや色の配置を特徴とする抽象絵画作家。
- イヴ・クライン
- モノクロームの絵画で色彩を極限まで抑えた抽象作品を作った画家。
- 色彩理論
- 色の組み合わせが見た目に与える印象や感情を解説する理論。抽象作品で重要。
- 具象 vs 非具象
- 具象は現実世界の対象を描くこと、非具象は対象を描かず色や形で表現すること。
- キャンバス
- 絵を描く基本の支持体。布地を張った表面で、画材を定着させる土台。
- 油絵具
- 油性の絵の具で深みのある色と長い乾燥時間が特徴。
- アクリル絵具
- 水性で速乾、取り扱いがしやすく現代の抽象絵画に広く使われる。
- オプティカル・アート
- 視覚の錯覚を使い形や動きを表現する抽象美術の派生。
アブストラクトアートのおすすめ参考サイト
- 【アブストラクトアートとは?】ビジプリ美術用語辞典
- 抽象画とは?その魅力について解説 - 株式会社プラスアート
- アブストラクトアートとは? 意味や使い方 - コトバンク
- 抽象芸術(チュウショウゲイジュツ)とは? 意味や使い方 - コトバンク